Saturday, August 21, 2010

Futenma Relocation Plan



    普天間移設2案併記…滑走路、一本化見送り


     【ワシントン=小川聡】沖縄県の米軍普天間飛行場移設問題で、日米両政府は19日、代替施設の位置や滑走路の配置などについて二つの案を併記した報告書の概要をまとめ、今月末に発表することで合意した。

     同県名護市辺野古沿岸部に2本の滑走路をV字形に配置する従来の計画通りの「V字案」と、日本政府が新たに提案した滑走路1本の「I字案」の両案を実現可能な案として併記する。代替施設をめぐっては、5月末の日米合意で具体的な検討を8月末までに終えると明記したが、沖縄県側から「県内移設」への同意が得られない中、結局、絞り込みを先送りする結果となった。

     代替施設をめぐり、両政府は19日までの3日間、米国防総省や国務省で専門家協議を行った。その結果、工法は埋め立てを採用し、現行計画とほぼ同じ名護市辺野古地区に建設することで大筋一致した。

     ただ、滑走路の配置や形態などについては、沖縄側の頭越しの決定と受け止められることを避けるため、一本化を見送ることにした。米側はこれまで、従来の「V字案」を最善だとしてきたが、沖縄の理解を得ることを条件に、「I字案」も候補として受け入れる姿勢を示した。

     5月28日の日米共同声明では、「代替施設の位置、配置及び工法に関する専門家による検討を速やかに(いかなる場合でも8月末日までに)完了する」としている。日米両政府も当初は「一つの具体案を決める認識だった」(米政府筋)が、結論はまた先送りされる形だ。

     協議筋によると、これに伴い、具体的な計画を決める外務、防衛担当閣僚による日米安保協議委員会(2プラス2)は、11月末の沖縄県知事選前に開くことが極めて困難となった。普天間問題は、11月中旬に予定されるオバマ米大統領の訪日までには解決できず、来年以降への先送りが濃厚になった。

     専門家協議では、2005年10月の在日米軍再編中間報告で考慮された〈1〉安全性〈2〉騒音〈3〉環境への影響〈4〉運用性〈5〉地元生活への影響——の5要素について、両案の利点や欠点を比較・検討した。その結果、V字案は、2本の滑走路を離着陸時に使い分けて集落上空の飛行を完全に避けられる利点があるのに対し、I字案は、埋め立て面積がV字案より25%少なく、工期や工費を短縮、削減できることなどを報告書に盛り込む見通しだ。

     両政府は26、27日に東京で最後の専門家協議を開き、文言や発表方法などの最終調整を行う予定だ。
    (2010年8月21日03時07分 読売新聞)